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■「座敷音頭」に想う! 江洲音頭だより(第26号)
 こんにち滋賀県での江州音頭は、踊り用の棚音頭と、語りもの用の座敷音頭(以下、俗称の敷座と呼ぶ)の二種類あることは周知の通りです。当節昔に比べ、敷座も少いようだが、皆さん敷座をヨウく聴かれたことありますか。棚音頭とどちらがよろしい?
 敷座は、物語りの本題に入るまでの、枕などの部分はともあれ、本題部分に入ってからの節使いは、平節(音頭の普通の節)は殆ど使われず、大部分が、節の付かない啖呵(会話やナレーション等の科白)と、リズムの無い(手拍子の入らない節の)半言葉(半分言葉で半分が節、の意)とで進行し、時々半祭文(一祭文とも)という、祭文節の中での最短(七五調一行)の節で落とす(一区切りを着ける)というやり方の連続で、ヨイトヨイヤマカ…の囃しも全く入らず、節使いとしては誠に単調。聞く側としてはいま一つもの足らん、ちょっと良い節も聞きたいナと思う。やってる音頭取りさん自身はどうです?そんな調子で三・四十分余りも続けて、飽きが来ませんか。ちょっと聞かせる節も入れてみたいナ、と思われませんか?
 もしそうなら、ここらで勇気?を出して、平節や各種の祭文節・役節(感情表現の節)の活用を考え直しては如何です。少くとも、江州音頭全盛時代を作り出した戦前の、三代目桜川大龍の辺りにまで戻ってみてはどうでしょうか。此の師匠の芸は、物語りの聞き取り工合を妨げない程度に、平節・祭文節・役節の良い節を活用し、落とし節(平節の一種で五の節)さえも使い、囃しは、入らなかったり入ったり、というやり方で、戦前のSP盤に残っています。
 この江州音頭の元の名称が八日市祭文音頭。つまり丹波や山城の盆踊り民謡である祭文音頭を元に、八日市で創ったもので、平節が祭文音頭由来の節。故に平節を使わねば祭文音頭とは、従って江州音頭とも呼べない。また、そもそも音頭とは、語源は雅楽用語の音頭で、主役の唄い手音頭と、その他大勢の囃し衆との掛合い形式の音曲の事(「乾杯の音頭」に名残りあり)です。だから、囃しが入らないのに、座敷音頭といえますか。

音頭研究家 村井 市郎

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